首里劇場調査レポート その6【暫定版】

文:普久原朝充

レポート その4からの続きで首里劇場のコンクリート造の柱がブロック造ではないか?という考察から、さらに、なぜ1階部分だけブロックを積んだのだろうか?という疑問が生じる。

▲ピンク色の部分がコンクリート造部分

 

木造とコンクリート造部分で色分けした梁伏図を描いてみると分かりやすくなったのだが、どうやらベランダを増築する際にコンクリート造の床スラブを支持する梁を通すためだったということがわかった。現場をよく見たら既存の木梁の隣に沿うように鉄筋コンクリート造の梁が架けられている。

「い~は」間および「む~ゐ」間には天井下に不自然な梁(垂木?)が見えるのだが、おそらく増改築前の部材をそのまま残したものだと思われることから、以前の姿がおおまかながら想像できる。

 

▲増築部分に残る不必要になった梁