3Dで遊べる Matterportデータ公開

すでにClasterを使った、VR型の首里劇場ヴァーチャル体験を紹介していますが、新しくMatterportというWebサービスを使ったデジタル体験もご紹介いたします。

協力いただいたのは株式会社池宮商会。Matterport を利用した建築物の記録を行っています。

» Matterport 首里劇場(1950-2022)を体験する

Matterportは専用の360度カメラにより多数のポイントを撮影すると、それらをシームレスに繋ぎ、Googleストリートビューのように見せてくれるのが、本プロジェクトの最初の成果物。

▲Googleストリートビューの様に、好きな場所に移動できる。

▲高解像の画像により、拡大しても時なども読めます。

 

解像度の高い360度撮影により、臨場感のあるヴァーチャルな体験が可能です。ちょっとした確認であれば、この画像からもいろいろ見えてくるものがあるでしょう。

Dollhouseモード

画面左下のアイコンで、右から4っつめのアイコンは”Dollhouse”モードで、こちらをクリックすると、ドールハウスの様なカットモデルの3D画像に切り替わります。

▲”Dollhouse”モードの画面。いろいろな角度から見ることができる。

“Dollhouse”モードは、撮影された360度画像を解析して造り出した3D画像で、ポインタで動かして、人形の家をのぞき込む様に、いろいろな角度から楽しむことができます。これによって建物の構造などが俯瞰的に観察できるわけです。これが特別なアプリを使わずにWebブラウザだけで体験が可能というのも非常に魅力的です。

フロアセレクター

▲”フロアセレクター”で階ごとに表示することができ

左下のアイコンの右から二つ目は”フロアセレクター”になっていて、観たい階数だけを表示することができます。「首里劇場」の3Dモデルは三層構造になっているので、「1階」「2階」「3階」「すべて」と切り替えて表示できます。

したの画像のように、表示を「1階」にすると、2階席の床が見えなくなるため、それを支える梁の様子(1階の天井部分)が透けて見えるようになるわけです。

▲フロアセレクターで「すべて」を表示した状態。

▲フロアセレクターで「1階」を選ぶと、2階席の床が消えて梁の構造が見える。

 

測定モード

アイコンの右端は”測定モード”になります。画面下中央の”プラス”ボタンを押すと、ポインタが切り替わり、そこで画面上の二点を選択すると、その間の距離が表示されます。横だけでなく、高さも測れるのがありがたい。

下の画像のように舞台の床からの高さが約0.61m、幅が11.21mと言うことがわかるわけです。

この方法によっておおまかな構造を調べ、実測値で補完していくことができるので、調査にも多いに役立ちました。

▲2点間のおおよその距離がわかる。

紹介した利用法以外にも、こまかい技が仕込まれているので、まずは体験していただきたいと思います。

» Matterport 首里劇場(1950-2022)を体験する

 

3Dアーカイブの可能性

非常にリアルで良くできた3Dモデルですが、もちろん現実の建築物の中に立つ時に感じる、空気感と言うか、存在感にかなうものではありません。しかし、誰もが来館できる状況ではなく、いつかは消滅してしまう運命2あることを考えると、現時点の状態をこのように記録することには多いに意義があります。

また多くの歴史的な建築物が消滅していく現状においては、池宮商会のこの試みは非常に大きな歴史的、社会的な意義のあることと言えます。屋

私たちは首里劇場と言う建築を調査することで、様々な物語に出会いました。建築の記録は単に構造や技術、意匠といった見た目だけではなく、関わった他人々の生活の記録であったり、その記憶を引き出すトリガーになることを、強く感じています。

今後も消失する予定の建築物などを記録し、「沖縄の名建築デジタルアーカイブ」のようなものを公費で作ることも、議論されていいのではないでしょうか。

(文:真喜屋力)