第二次世界大戦の敗戦国イタリアの不景気の中で、自転車を盗まれた父子が町を彷徨いながら、盗まれた自転車を探す物語。もう傑作中の傑作であり、今の時代だからこそ見て欲しい名作。
質屋に金を借りて仕事のための自転車を手に入れる父親が、目を離したすきに自転車がぬすまれる。これでは仕事も続けられないと、まだ幼い息子を連れて自転車をさがしだそうとするだけの物語だが、心をかきむしられるような美しくも切ない傑作です。
戦勝国のアメリカが、スタジオの中で甘ったるいハッピーな映画を作りつづけるいっぽう、本作はカメラとともに町に繰り出し、シリアスな目線のリアルな映像で、人々の生活を描いた。
とにかく息をのむラストシーンは、永遠に心に焼き付けられるはず。
(文:真喜屋力)
上映スケジュール
- 休館中です
- 公開年
- 1948年年
- 監督
- ヴィットリオ・デ・シーカ
- キャスト
- ランベルト・マジョラーニ